#マーダーミステリー10選投票企画2022 というtwitter上での企画に紐づけて、昨年度のマダミス振り返りをしてみました!
(企画者のどっ凸様、楽しい企画ありがとうございます!)
【拡散希望】#マーダーミステリー10選投票企画2022
— どっ凸🌤️マダミス企画中 (@annakotto7) 2022年12月18日
2022年12月末時点で有効なマーダーミステリー作品について、
Google Formで投票を行い、集計結果をTwitterで発表します。
所要時間は最短15分、期間は1/9(月)まで。
※ツイートの集計はいたしません。#マーダーミステリーhttps://t.co/EibgcZGyae
対象は私が2022年内に遊んだマーダーミステリー作品です。
以下にまとめておりますのでご参考までにどうぞ!
ネタバレは含まない形での記述を心がけますが、作品のテイストやおすすめポイントには触れますので、ご了承下さい。(記述の内容でヤバ……と思う点があったら何卒ご教示ください!)
先入観を持たずに遊ばれたい方はタイトルだけでも見ていってくださいね。
2022好きマーダーミステリー10選(遊んだ順)
- ランドルフ・ローレンスの追憶
- 鬼哭館の殺人事件
- ウェンディ、大人になって
- 奇想、アムネジア
- シュレーディンガーの密室
- 蟻集
- RED LINE
- コーヒーカップが割れたとき
- 探偵撲滅-死者からの依頼と機密文書-
- アンフィスバエナと聖女の祈り
- まとめ
ランドルフ・ローレンスの追憶
【公式HP】
貸切について(ランドルフ・ローレンスの追憶)|じゃんきち|note
ランドルフ・ローレンスの追憶 - マーダーミステリー専門店 Rabbithole
【製作者さん】
佐藤 倫(じゃんきち) さん
【推しポイント】
世界観
【雑感】
「パンドラの人狼」など他の作品も少し遊ばせていただいたのですが(パンドラの人狼も面白すぎました)、じゃんきちさんの作品特有の手触りのようなものを感じることがあって、それがとても大好きです。
凄く整理されていてシンプルな世界なのに、郷愁のようなものをいつも感じますし、なんとなく、どこかがほんの少しだけ悲しくて、けれど圧倒されるくらい美しいです。
古いスケッチブックを見つけて、それをめくって昔を思い出すような感覚。
1枚の絵画のように完成された美しい情景。
想像力というものを大切に思われている方なのかな、となんとなく感じます。
マーダーミステリーは没入体験型コンテンツとしての一側面を持っていると感じています。そんななかで、じゃんきちさんの作品が持つ、少し突き放したような作品世界への距離感は不思議な魅力があって、凄く大人びたものに感じました。
そういう意味で「追憶」がメインモチーフである今作は、作家性ともマッチした素敵な作品だな~と勝手に思っています。
鬼哭館の殺人事件
【公式HP】
【製作者さん】
【推しポイント】
システム
【雑感】
「大正浪漫マーダーミステリー」という心躍るキャッチコピー!
ミステリーゲームとしての完成度が非常に高いと感じていて、そこに加わる最高の世界観、魅力的なキャラクター、素晴らしいデザイン……とっても好きな作品です。
コンポーネントもとっても素敵で、オンラインで遊んでも、パッケージで遊んでも、店舗さんで遊んでも、しっかり満足度が担保されているところが凄いな~と思います。
蓄積されたノウハウから生み出される練り上げられた表現に、王道を感じることができる素敵な作品でした。
ウェンディ、大人になって
【公式HP】
ウェンディ、大人になって | SNE-EC | グループSNE公式アンテナショップ
【製作者さん】
グループSNE&cosaic グループSNE (@GroupSNE) / Twitter
【推しポイント】
世界観
【雑感】
美しい物語世界としっかりとしたテーマが、ゲームシステムやデザインとがっちり融合している作品です。
パッケージ作品はデザインやコンポーネントの完成度がかなり重要に個人的には感じています。
それは店舗さんで遊ぶときよりも、物語や世界観に引き込む機能が強く必要とされているように思えるからです。GMさんや店舗さんの内装が担っている役割を、デザインがしてくれているように感じているんです。
『ウェンディ、大人になって』はパッケージを開けてセットアップを行った時点で、これから何が起こるんだろうという期待に満ちています。
作品の持つテーマ性も素晴らしいです。システム、物語、テーマの美しい一致!
謎解きボードゲーム「ESCALOGUE」シリーズなども通じて、河野裕さんの作品がすごく大好きになりました。
ゲームシステムやジャンルの持つ特性を作品のテーマとして落とし込む手腕が非常に素晴らしいと感じます。
『ウェンディ、大人になって』はマーダーミステリーでなくてはならないし、「ESCALOGUE」シリーズは謎解きボードゲームでなくてはならない、という必然を感じさせてくれることにいつも感動しています。
奇想、アムネジア
【公式HP】
奇想、アムネジア | SNE-EC | グループSNE公式アンテナショップ
【製作者さん】
グループSNE&cosaic グループSNE (@GroupSNE) / Twitter
(作者:アーキテクトさん)
【推しポイント】
推理
【雑感】
し、新本格っぽい~!!!!!!
ミステリとしての堂々たる風格がとっても印象的な作品です。
子供の頃に夢見た、「あの小説の中に入れたら……」を具現化したような作品に感じました。
作品に含まれる驚きの数々は"奇想"の名に恥じないものばかり。
全体に漂うムードが素晴らしいので、GMさんも演出し甲斐があるだろうな~という点も印象的でした。
体験した際の演出でとても心に残ったものがあり、そういった意味では店舗さんで体験するのもおすすめのシナリオだと思います。
シュレーディンガーの密室
【公式HP】
物語回想マダミス「シュレーディンガーの密室」【11/25更新】|白岩ぱんだ|note
【製作者さん】
白岩ぱんだ さん
【推しポイント】
推し
(「演じる」ことへの愛、台詞回しに表れるキャラクター性、ストーリーの面白さ、デザインコンセプトの素晴らしさ、テーマ性、、、総合力が図抜けていると感じます!)
【雑感】
ちょっと面白すぎます!!!!!
体験価値が異様に高いです。
まず特筆すべきは作品の随所から溢れるホスピタリティ。気づけば自然と物語に没入していること間違いなしです。
「演じる」という要素はマーダーミステリーにおいて特徴的な価値の一つに感じています。『シュレーディンガーの密室』は「演じる」ことに対する愛情がこれでもかとばかりに詰め込まれた作品のように思います。
公式noteに「読み合わせ・演劇要素多め」とあるように、沢山のセリフを登場人物として読むことになります。その一つ一つが本当に活き活きとしていて素晴らしいんです!
なんでもないような相槌の一つからキャラクターの人柄が想像できるような、キャラクターの立ち方と解像度の高さがとっても大好きです。物語を体験しているうちに、いつの間にかキャラクターとして言葉が出てきてしまうような素敵さ!
物語の展開やゲーム性、作品全体に通底するテーマも非常に素晴らしいもので、万人におすすめできる一作だと思います。
蟻集
【公式HP】
【製作者さん】
幸田幸 さん
【推しポイント】
推し
(とにかく作品として分厚すぎます!群像劇として、ミステリとして、体験型コンテンツとして、あらゆる面での完成度が高く感じます。)
【雑感】
『蟻集』の素晴らしいところはその思慮の深さだと感じます。圧倒的な筆致で作品世界をがっちり成立させてプレイヤーの情動や行動をしっかりコントロールしていながらも、想定されている事態の範囲がとにかく幅広く、作品世界の広がり方がエグいです。
マーダーミステリーはその構造上群像劇になっていくところが面白いな~といつも思います。複数の人生が交差する瞬間の物語ですよね。
登場人物たちの背景を描写する手腕が素晴らしいです。そのうえで、想像や解釈の余地を残すバランス感覚もマーダーミステリーというジャンルにおいて特異な才能に感じます。
また、ミステリーゲームとしての魅力も甚だしいものがあります。シチュエーションも相まって、現れる謎が面白すぎます。
対話型のゲームは意思決定と行動選択がその魅力の一つであると思われるのですが、マーダーミステリーは事前にシナリオが規定する部分も大きいので、プレイヤー側と製作者側における思考の幅や方向性の差異についての想定がとても重要に思えます。
この作品は論理、情動、行動などを含めた、想定されている在り様の幅がものすごく広いように感じています。にも関わらず、様々な展開に必然を感じさせているのは凄いことだと思います。
起こる一つ一つの出来事に驚いて、それらを解釈しながら、自分の人生を選択する。
マーダーミステリーを遊んでいてよかった、と思った作品でした。
RED LINE
【公式HP】
【製作者さん】
POLARIS さん
【推しポイント】
体験価値
【雑感】
人間社会に住む吸血鬼をモチーフにした、GMレス5人用パッケージです。
この作品の凄く好きなポイントは、「美しい物語世界をデザインで表現し、それをまさに"体験"させる」という、特異な経験がパッケージでできるところです。
美しいデザインに彩られたP型のパッケージが白眉で、開封時から今から特別なことが起こるかもしれない、という素敵な予感に満ちています。
パッケージを開けてからも本当にワクワクするような出来事の連続で、それらが体験価値と呼べるだけの強度を持って表現されていく様は圧巻です。これからマーダーミステリーを始める方に、入りやすさやクオリティ諸々含めて最初におすすめするならこの作品はどうかな~、と思っています。
物語としての美しさも素晴らしいです。この物語が持っているある形が私はとても好きで、思い返してはため息を付いてしまいます。
自分が迎えた終わりを納得を持って受け入れられることは、1度きりの体験であるマーダーミステリーにおいてはとても重要に思えます。考え抜かれた末に訪れるそれぞれの結末が、私には凄く好ましく映っています。
それと実は特典版についていた小説群がとても素敵なんです。今はnoteで個別にも購入できるので、プレイ済みの方はもしよろしければ読んでみてくださいね。
コーヒーカップが割れたとき
【公式HP】
マーダーミステリー「コーヒーカップが割れたとき」の公演依頼について|すな|note
【製作者さん】
すな さん
【推しポイント】
推し
(緻密な作品作りから感じられる、そこに世界が実在しているという手触り。美しい心理描写、情景描写の数々から生み出される感情の動き。リアリズムと、でも、それでも、という気持ち。)
【雑感】
『コーヒーカップが割れたとき』は私にとってかなり特別な作品で、マーダーミステリーという枠を超えて、自分の人生に残る経験になっています。
この作品の美しさは言葉にすることが難しいです。私が思ったことは、この作品は世界の怖ろしさや痛みと、優しさや温かさを同時に描いている、ということでした。
それらが作品世界に対する圧倒的な愛情、確かな筆致と表現によって、緻密に描きだされていく凄み。
作者すなさんの個人GMという形で公演が行われているこの作品ですが、すなさんのGMだからこその素敵さが詰まっているところも好きです。
対人コミュニケーションゲームはやっぱり誰かと一緒にするものだから、あなたとでなければ体験できなかった、と思えた瞬間が何ものにも代えがたいな、と思います。
探偵撲滅-死者からの依頼と機密文書-
【公式HP】
【製作者さん】
そがべ さん
【推しポイント】
システム
【雑感】
た、楽しい~!!!!!
ゲームシステムがずば抜けて面白く、この枠組み単体でジャンルが成立しそうな強度を持っています。プレイ中はずっとわくわくしっぱなしで、めちゃめちゃうきうきしてしまいました。
『探偵撲滅』というPS4/Nintendo Switchで発売されているゲームソフトとのコラボレーションマーダーミステリーとして展開されている今作ですが、コラボ元/コラボ先、双方に愛情を感じる素敵な作品になっています。
『探偵撲滅』自体が世界観とシステムそのものに強い魅力があるタイプの作品です。
ミステリのキャラクター小説としての一面を先鋭化させたような作品世界で、14人の探偵たちがクローズドサークル内で活躍する様を描いています。
この探偵たち、得意分野の能力は高いのに基本的に協調性に欠けており、放っておくと一向に推理が進みません。そこで平凡な男、"無能探偵"である主人公がそれぞれのキャラクターに"介入"し、ときに"連携"を促しながら推理を進めていく、というゲームになっています。
「この世界に入ってみたい!」と思わせるような作品で、かつ、「魅力的なキャラクター達を連携させることで関係性を上手に描いている」作品でもあります。
今作は上記の特徴をとっても素敵にマーダーミステリーに落とし込んでいます。
単体の作品としてもシナリオがハチャメチャに面白く、世界観を伝えるための工夫も万全です。『探偵撲滅』のシステムをマーダーミステリーとして表現したうえで、凄くオリジナリティ溢れる作りになっています。
コラボ元への目配せも絶妙で、『探偵撲滅』を遊んでいなくてもプレイ中は疎外感を与えないのに、終わってみるともっと作品世界が知りたくなる、という素晴らしいバランス感覚!
コラボ元/コラボ先、両者の魅力を高め合うような素敵な作品でした。
アンフィスバエナと聖女の祈り
【公式HP】
(ご紹介できるページが思いつかなかったので、作者しゃみずいさんのTwiPlaページを貼らせていただきます。こちらで都度募集がかかっておりますので、イベントページから作品の詳細をご確認ください!)
【製作者さん】
しゃみずい さん
【推しポイント】
世界観
【雑感】
この作品の持つ魅力はまた独特なもので、それはなにより世界観、本当に文字通りの、作者しゃみずいさんの「世界の観方」にあると感じます。
土の匂いが漂ってくるような暖かみと雄大さと、それとやっぱり人間味を感じる作品で、凄く特別な体験だったな、と遊んでしばらくたった今も思い返しています。
作者さんGMでの個人公演という形で2023年1月現在行われており、ひしひしとその意味を感じるような作品でもあります。
マーダーミステリー(というか人が体現するエンターテイメントってすべてそうなのかもしれませんが)は"なまもの"でもあって、GMさんが体現する世界の在り方を楽しめるのも素敵なところだな、と強く再認識したきっかけでもありました。
その世界の一員としてそれを間近で体感できる面白さと、一緒に過ごす人たちと物語を形作る喜びに溢れた作品でした。
また、マーダーミステリーの強い魅力の一つに「驚き」があるように思います。遊んでいる最中ずっと驚きでいっぱいの時間を過ごせたのも印象的でした。
もうとにかく面白い~!!!
まとめ
振り返るとマダミス面白すぎます。
並べてみるとなんとなく自分が好きな傾向がわかって面白かったです。
好きな作品と個人的に印象に残った作品で少し差があるのもまた味わい深いです。
また、10作品の中には選びきれませんでしたが、好きなもののうち特に悩んだ作品は以下になります。
・狂気山脈 陰謀の分水嶺
・緑の森の百年女王
・年輪
・ピアノソナタ解放
・ハッピーエンディングストーリー
・FLIGHT64
・コスモマーダーグランドホテル
・時計の針は5時半を指していた
・あたたかな幽霊
・あの夏の囚人
・河辺の夜の夢
・辻斬りシャーロック
・猟奇はカクテルに滲む
・夢ノ棺ノ時間ドロボウ
・LYCAN
・毛玉の家
(まだまだいっぱいあります!!)
あ~2022年面白かった~!!
一緒に遊んでくださった皆様、製作者の皆様、GMの皆様、素敵な場を提供してくださった店舗の皆様、本当にありがとうございました!